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【第2回】ふと、仕事との「両立」に疑問を感じたら

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 職場のモヤモヤを「すっきり」させるブログ、
職場の扉」のひとときが、めぐってきました。
 この先、MC(master of ceremony)を務めます、
テラボ(terrabo)です。

ふと、」頭をかすめた職場のモヤモヤを、
あなたの知らない扉をそっと押し開けて、
すっきり解消させるブログです。 
 今夜の話題は…

 夜行フェリー(ferry)へのご乗船、
ありがとうございます。
 この便は、「仕事との両立」号です。
 貨物を積み上げ次第、出港いたします。

 試しに、厚生労働省のウェブサイトで
「両立」を検索してみると、
「仕事と育児の両立」

「仕事と介護の両立」
「治療と仕事の両立」
が、似た意味合いとして、
「職業生活と家庭生活の両立」
「仕事と生活の調和」
「ワーク・ライフ・バランス」

といった用語を見い出すことができます。

 これらの「両立」には、
仕事暮らしの両立」という同じ根っこがみられ、
両立の片方である「暮らし」として、
ライフサイクルの節目となる、

育児、親の介護、病気の治療などが挙げられています。

 両立した状態のイメージとしては、

「仕事」と「暮らし」が、それぞれ良好に営まれ、
かつ、双方の関係がバランスよく整っている様子

が思い浮かびます。
 それでは、そうした状態は、
どのようにして成し遂げられるのか、
疑問に感じる瞬間があるのではないでしょうか。

 そこで今夜は、フェリーの展望デッキで、
ワーク・ライフ・バランス」について、
思いをめぐらしてみましょう。
 それでは、出港いたします。

2 義務教育のときから「両立」が始まっていた 

 実は、義務教育の段階から、
大方の生徒や保護者は、「両立」の言葉を耳にしています。
 公立中学校の半ば頃になると、
「高校入試」の文字が頭をかすめ、
勉強部活動の両立」の問題が浮上します。

 学校側の生徒管理上、
教師との関わりが平穏無事で、
成績が良く、部活動に打ち込む生徒像が、
とかく推奨されます。


 他方、保護者側は、すみやかに下校させて
塾の特訓を受けさせたいところですが、
そうすると部活動が疎かになって、
内申書に響く懸念があります。

 このジレンマの解決策は、意外と分かりやすく、
入試本番までの限られた時間枠の中、
「勉強と部活動への効率的な時間の配分」と、
「効果的な学習を通じた生産性(成績)の向上

の2点です。

 結果の差こそあれ、生徒自身には、

自らの判断や行動を通じて、未熟ながら、
 事態をそれなりにコントロールする機会がある

という特徴がみられます。

3 インターンシップは「両立」の片方 

 大学3年生の夏頃から、
インターンシップをめぐる活動が本格化し、
学業就活の両立」の場面に移ります。


「仕事と暮らし」になぞらえれば、
就活学業の両立」に入れ替えたほうが

良いかも知れません。

 就活(就職活動)では、

就職を試みる多くの企業が、いわば
ステークホルダー(利害関係者)となります。

 これらステークホルダーとの関係で、
就活生には、社会人としてのコミュニケーションが
求められるようになります。


 ただ就活生には、ES(エントリーシート)や

SPIなどの適性検査、累次の採用面接に対して、

自らの判断と行動を通じ、ある程度の対策を講じる
 余地が残されている

という特徴がみられます。

4 自立すると「両立」のおまけがもらえる 

 就職後は、「仕事恋愛の両立」として、
「暮らし」のステークホルダーに恋人が加わり、
組織上のロジカルなコミュニケーションとは異なる、
情緒的なコミュニケーションが必須となります。
 相手との関係性は感情や感性に左右されるため、
自らの判断や行動を通じたコントロールは
 不安定な状態に置かれる

のが定番です。

 社会的自立が慣れてきた頃、
仕事婚活の両立」の場面に移ります。
婚約の段階になると、ステークホルダーが、
結婚相手の親兄弟にまで一気に広がります。
 それ以降、相手が変わらない限り、

ステークホルダーごとの多層的なコミュニケーション
を図り続けることになります。

 子どもの誕生後には、
仕事育児の両立」の局面に移り、
乳幼児がステークホルダーに名を上げます。
 両親は、乳幼児の感情の起伏や健康状態
に合わせるほかなく、

自らの判断や行動を通じたコントロールが
 及ばない事態が異常発生する

という事態になります。

 しかも、子どもが成長すれば、
幼保園や小学校の担任との関わり、

保護者同士の付き合いなど、
 ステークホルダーが目白押し

となります。 

 一方、「不妊治療仕事の両立」の問題を
抱える夫婦にとっては、
身体・医療上の問題も重なり、
自らコントロールできる範囲が狭まざるを得ません。

5 中高年になっても「両立」は続く 

 中高年のステージでは、親の健康状態に応じて、
仕事介護の両立」が問題となり、
親の要介護状態を前提に、
身の回りのお世話や施設への入所といった
応戦一方の対応を迫られます。
 この局面では、

自らの判断や行動を通じて
コントロールできる範囲が相当限られます

が、こればかりは致し方ありません。

 年齢を重ねるにつれ、
同窓会での病気自慢が始まり、そのうち、
治療仕事の両立」の問題に直面します。
 仮に、治療の原因が命にかかわる疾病であれば、

身体・医療上のケアが不可欠となって、
 自らコントロールできる範囲は、大幅に狭る

という事態になります。

 ちょうどこの頃、社会的な責任が極限に達し、
一部の並外れた方は、諦観の境地に至ります。

6「暮らし」の難易度が上昇 

 ここまで、
両立の一方である「暮らし」の移り変わりを
スケッチしてきましたが、こうしてみると、
日々の処世(世渡り)において、

働く者の年齢が上がるごとに、

その判断や行動を通じてコントロールできる
 余地が、不可逆的に狭苦しくなっている

ことに気づきます。

 その理由は、次の2つに集約されそうです。
 1つめは、

日々の処世において、
ステークホルダーが加算され続け、その都度、
その場その時にふさわしいコミュニケーション

を通じて、それぞれの対人関係を慎重に維持
しなければならない

ことです。

 例えば、夫婦間の接近系コミュニケーションや
義理の両親との気疲れ系コミュニケーション、
ママ友や保護者間の探索系コミュニケーションなどでは、
相手や他人のプライバシーが話の対象になり得ますので、
ひょっとした言い間違えで、
破局的な人間関係に陥りかねません。

 そこまでいかないにせよ、
思い描いていたような結末を迎えないのが、
世の習いです。

 2つめは、

加齢に伴い、身体・医療上の対応が不可欠となり、
自らの判断と行動により事態をやり直す余地が
相当狭まる

ことです。
 こうしてみると、「暮らし」ぶりである、
日々の処世のハードルは相当なものです。

7「途切れない処世」の扉 

 両立の一方である「暮らし」の難易度が高い
ということは、裏を返すと、

① 練度の高いコミュニケーションの習得 
② 最大の資産である健康の保持 

をクリアーすれば、日々の処世が順調に
営まれる、ということです。

 途切れない処世を着実に行うことにより、

仕事との両立もたやすくなるでしょう。
 他方、両立のもう一方である「仕事」については、
次回に、大切にとっておきましょう。

 ふと、仕事との「両立」に疑問を感じたら、
まだ開けていない「途切れない処世」の扉を、
やんわり押してみましょう。
 きっと、あなたらしい未来が適(かな)い
始めるに違いありません。

 そろそろ、下船の時間が近づいてきました。
 当航は、最終の定期便となります。
 次のご乗船の機会をお待ちしています。
 それでは、また。

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